男は呆然としていた。目の前で女が息絶えてしまっている……。しかしここまでは計画通りなはずだ。どこにも指紋は残していない。女の携帯からも自分のアドレスとメールの送受信は消し去った。あとは……、と男は時計を見た。そしておもむろにその部屋を立ち去った。10分後、男から呼び出されていた男の知人がその部屋を訪ねてきた。ベルを押しても返事がない。ドアノブをひねると鍵はかかっていなかった。男とはよく待ち合わせた部屋なので、先に入って待っているか、と一歩踏み入れて、知人は唖然とした。そして叫んだ。「死、死んでる!」
女は男と知人の共通の知り合いだった。第一発見者として警察に通報した知人は、当然疑いをかけられた。なにしろアリバイがない。しかし、何故彼はあの部屋に行ったのか。それは男に呼び出されたからである。男の取調べが始まった。
男は警察の取調べに対して、知らぬ存ぜぬをくり返した。強気で居直る男に対し、取調官はある映像をつきだした。
殺された女と男が部屋に入る映像。その後、男が小走りに部屋から出て行く。その2つの映像の間に女の死亡推定時刻がはさまれている。その後、呼び出された知人が部屋に入る映像。ぐうの音も出なかった。あまりに粗い犯行計画と、知人に濡れ衣を着せようとした男のもくろみは、防犯カメラの映像が証拠となってもろくも崩れ落ちた。防犯 録画は惨劇を静かに告発する無言の証言者であった。
防犯カメラ 録画も良いですね。